キングダム 秦が六国を滅ぼした順番|史実と作中の現在地

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この記事の結論

  • 秦が六国を滅ぼした順番は韓→趙→魏→楚→燕→斉。最初から最後までわずか10年
  • 原作は2026年10月時点で韓の滅亡まで描き終え、2国目の趙を攻略中。最新刊は80巻
  • 魏・燕・斉の王と代王を捕らえたのはすべて王賁。李信は王を捕らえた将に名前がない
  • 李牧は戦死ではなく、讒言で趙王に斬られた。翌年に趙は滅ぶ
  • 楚を滅ぼしたのは王翦と蒙武。李信は先に攻めて項燕に敗れている

秦が六国を滅ぼした順番は韓→趙→魏→楚→燕→斉で、最初の韓から最後の斉まではわずか10年しかない。原作『キングダム』は、2026年10月時点でその1国目の韓を滅ぼし終え、2国目の趙を攻めている途中だ。

順番を将軍で数え直すと、もう1つ見えてくることがある。『史記』の秦始皇本紀で、六国の王を捕らえた将として名前が挙がるのは内史騰・王翦・羌瘣・王賁・蒙武で、魏・燕・斉の3国の王と、趙の残党「代」の王を捕らえたのは、すべて王賁だ。主人公・信のモデルである李信の名前は、王を捕らえた将の中には出てこない。この記事では、史実の順番と、作中がいまどこにいるのかを並べて整理する。

秦が六国を滅ぼした順番の一覧

六国が滅んだ10年前230年韓内史騰が韓王安を捕らえる▶前228年趙王翦・羌瘣が趙王遷を捕らえる▶前225〜223魏・楚王賁の水攻め王翦・蒙武が楚を▶前222〜221燕・代・斉3国とも王賁が王を捕らえる年は紀元前。楚は前224年説あり

年はすべて紀元前。将軍と王の名は『史記』秦始皇本紀による。

順 国 滅亡の年 秦の将軍 最後の王 決め手 作中で描かれたか(2026年10月時点)
1 韓 前230年 内史騰 韓王安 王を捕らえ、領土をすべて秦に収める 描かれた(新鄭の攻略と韓王家の降伏)
2 趙 前228年 王翦・羌瘣 趙王遷 前229年からの大侵攻で王を捕らえる 攻略の途中
3 魏 前225年 王賁 魏王假 黄河の水を都・大梁に流し込む水攻め まだ描かれていない
4 楚 前223年 王翦・蒙武 楚王負芻(のち昌平君) 李信の失敗の後、王翦が大軍で攻める まだ描かれていない
5 燕 前222年 王賁 燕王喜 遼東へ逃げた王を捕らえる まだ描かれていない
5 代(趙の残り) 前222年 王賁 代王嘉 燕の遼東を攻めた帰りに攻める まだ描かれていない
6 斉 前221年 王賁 斉王建 燕から南下した秦軍に、ほぼ戦わずに降る まだ描かれていない

楚の滅亡年は史料で1年ずれる。本紀では楚王負芻を捕らえたのが前224年で、昌平君が死に項燕が自害したのが前223年。楚世家は前223年に王を捕らえて楚が滅んだとしている。この記事では「前223年」を採り、王を捕らえた年には前224年説があると書いておく。

七国それぞれの国力や立ち位置はキングダム勢力図|七国一覧と秦の統一の進み具合で扱っている。この記事は「どの順で、誰が落としたか」に絞る。

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1国目 韓:作中ではすでに滅亡まで描かれた

史実の韓は、内史騰が攻めて韓王安を捕らえ、前230年に滅んだ。六国でいちばん小さく、秦にいちばん近い国から落ちた形だ。

作中でもここまでは描き終えている。総大将の騰が率いる軍が王都・新鄭に迫り、新鄭近くの平原で秦軍と韓軍がぶつかる。78巻(2026年1月発売)の紹介文によると、韓王家が無条件降伏し、昌平君が掲げた三つ目の柱である韓の攻略が成し遂げられた。韓王安が降伏する場面が77巻と78巻のどちらに入るかは、この記事では確かめきれていないので断定しない。

2国目 趙:作中はいまここ。李牧の最期が待っている

史実の趙は、前229年に王翦らの大軍に攻められ、前228年に趙王遷が捕らえられて滅んだ。

この年の流れでいちばん大きいのは、趙の名将・李牧が戦場で死んだのではないことだ。秦の離間策を受けて趙の重臣・郭開が讒言し、趙王遷は李牧を将から外して捕らえ、斬らせた。前229年のことで、李牧を失った翌年に趙は滅ぶ。

作中はちょうどこの直前にいる。王翦が率いた秦軍は番吾の戦いで李牧と司馬尚の軍に大敗し、そのあと前229年の「趙完全攻略戦」が始まった。80巻(2026年8月発売)では飛信隊が中華十弓の青華雲を討ち取り、蒙恬の発案で楽華軍・羌瘣軍と三軍の連合攻撃に入っている。最新刊は80巻だ。週刊連載では、10月初めの時点で李牧とカイネの過去を描く回想が入っているとされる。

趙の武将たちが趙攻略戦の時点でどうなっているかはキングダム趙の武将一覧で、李牧を含む三大天は趙三大天一覧で整理している。

3〜6国目 魏・楚・燕・斉:趙の後の7年で4国が落ちる

趙の後は速い。前225年から前221年までの5年間で、魏・楚・燕・代・斉が続けて落ちる。

  • 魏(前225年) … 王賁が黄河の水路の水を都・大梁に引き込み、城壁が崩れて魏王假が降伏した
  • 楚(前223年) … 先に攻めた李信が楚の項燕に敗れる。引退していた王翦が再び起用され、蒙武とともに楚王負芻を捕らえる。その後、楚の側に立った昌平君が死に、項燕は自害した
  • 燕(前222年) … 都の薊は前226年に落ちている。前227年には燕の太子丹が荊軻を送って秦王の暗殺を試み、失敗していた。前222年、遼東へ逃げていた燕王喜を王賁が捕らえる
  • 代(前222年) … 王賁が燕の遼東を攻めた帰りに代を攻め、代王嘉を捕らえる。ここで趙の系統が完全に絶える
  • 斉(前221年) … 王賁が燕から南下して斉を攻める。斉は西の国境を守っただけで、ほぼ戦わずに降伏した

前222年からの最後の2年は、王賁の独り舞台になっている。作中の王賁は信の好敵手として描かれているが、史実の終盤で国を落としていくのは王賁のほうだ。

楚攻めの兵数については「李信は20万で足りると言い、王翦は60万を求めた」という逸話が有名だが、これは『史記』王翦列伝の話で、記録された兵力として断定できるものではない。斉攻めに李信や蒙恬が加わったかどうかも、資料によって書きぶりが違うので、この記事では「主な将は王賁」とだけ書いておく。

「秦の統一」でよくある誤解

通説と史実よくある通説・最初に滅んだのは趙・李牧は戦場で死んだ・楚を滅ぼしたのは李信・趙は邯鄲陥落で終わり・斉は激しく抵抗した史実・最初は韓、趙は2番目・讒言で趙王に斬られた・王翦と蒙武が滅ぼした・代として前222年まで残る・ほぼ戦わずに降伏した『史記』の記述を基準にした

よくある誤解 実際 誤解のままだと何を読み違えるか
秦が最初に滅ぼしたのは趙 最初は韓(前230年)。趙は2番目 作中で韓攻略が「三つ目の柱」として先に置かれた理由が見えなくなる
李牧は秦との戦いで戦死した 讒言で趙王に捕らえられ、斬られた 秦が趙を落とすのに離間策を使った意味が抜ける
信(李信)が楚を滅ぼした 李信は項燕に敗れた。楚を滅ぼしたのは王翦と蒙武 王翦が「再び起用される」流れの重みが分からなくなる
趙は邯鄲が落ちて完全に滅んだ 公子嘉が代で王を名乗り、前222年まで残った 趙の滅亡が実は2段階だったことを見落とす
斉は激しく抵抗して滅んだ 西の国境を守っただけで、ほぼ戦わずに降った 最後の1国があっけなく終わる理由が分からない

この5つは、作品の先を史実で予想するときに混ざりやすい。とくに李牧の最期は、作中の李牧が魅力的に描かれているぶん「戦場で討たれる」と思い込まれやすいところだ。史実に名前の残る武将たちの最期はキングダム実在武将一覧でまとめている。

アニメと実写映画はどこまで来たか

原作の外の展開も、時点を付けて整理しておく。

媒体 状況(2026年10月時点)
原作コミックス 最新80巻(2026年8月19日発売)。趙完全攻略戦の途中
TVアニメ 第6シリーズを2025年10月から12月にNHK総合で放送。鄴攻略戦(対趙連合軍編)を描いた。続編の制作は決定、放送時期は未発表
実写映画 第5作『キングダム 魂の決戦』が2026年7月17日に公開。原作の合従軍編を描く

アニメは原作の鄴攻略戦まで、実写映画は合従軍編までで、どちらも韓の攻略には届いていない。六国の滅亡が1国でも映像になっているのは、2026年10月時点ではまだ原作だけということになる。

作中の「中華統一」はあと何国か

作者の原泰久は、連載20周年の2026年1月に「物語は中華統一に向けてここからさらに盛り上がる」とコメントしている。作品が中華統一を最終目標に据えていることは公式に示されている。

史実をなぞるなら、残りは趙・魏・楚・燕・代・斉。作中で羌瘣や飛信隊、青華雲といった人物は創作の要素が大きいので、史実どおりに誰が何を担うかは分からない。それでも順番だけははっきりしている。韓を終えた作中の秦は、史実ならここから8年ほどで残りの国を落としきる。李牧の最期、王翦の再起、王賁の連続攻略と、史実の側にはまだ大きな山がいくつも残っている。

『キングダム』の続きをチェックする

記事で気になった場面は、作品そのもので確かめるのがいちばん確実です。

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よくある質問

秦が六国を滅ぼした順番は

韓(前230年)、趙(前228年)、魏(前225年)、楚(前223年)、燕(前222年)、斉(前221年)の順です。趙の残党が立てた代も前222年に滅んでいます。

キングダムの原作は今どこまで進んでいますか

2026年10月時点で、韓の滅亡までが描かれ、趙を攻める「趙完全攻略戦」の途中です。最新刊は2026年8月発売の80巻です。

李牧は史実でどう死にましたか

戦死ではありません。秦の離間策を受けた趙の重臣・郭開の讒言で、趙王遷に捕らえられて斬られました。前229年のことで、翌年に趙は滅んでいます。

楚を滅ぼしたのは李信ですか

違います。李信は先に楚を攻めて項燕に敗れました。楚を滅ぼしたのは、再び起用された王翦と蒙武です。

最後に滅んだ斉はどう滅びましたか

前221年、燕から南下した王賁の軍に攻められ、斉王建がほぼ戦わずに降伏しました。斉は西の国境を守っただけだったとされています。

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