ワンピースくまが改造された理由|娘のために選んだ道
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この記事の結論
- くまは改造されたのではない。娘の治療費と引き換えに、自分から体を差し出した
- 娘ボニーが患う「青玉鱗」は、母ジニーが天竜人のもとで負わされた病だった
- バッカニア族という出自が、政府にとって研究材料としての価値を持っていた
- 人格を失う直前に願ったのが、2年間サニー号を守ることだった
バーソロミュー・くまは、政府に捕まって無理やり兵器にされたわけではない。
自分から体を差し出した。 それも、はっきりと何が起きるかを理解したうえで。
「くま なぜ 改造」と検索する人が求めているのは、たぶんこの一点だ。誰が彼をああしたのか。答えは、彼自身が選んだ、になる。順を追って整理する。
くまが改造を受け入れた理由
きっかけは、娘であるジュエリー・ボニーの病だった。
ボニーは青玉鱗という難病を抱えていた。治療には到底払えない額の金がかかる。そこにサターン聖が持ちかけたのが取引だ。治療を引き受ける代わりに、くまの体を政府の研究に差し出せ。
くまはこれを受けた。人間兵器の実験体になり、改造を重ねられ、やがて記憶も人格も失う。それが分かったうえでの承諾だった。
ボニーには「自分も病気だから一緒に治療を受ける」と伝えている。娘に本当のことを言わないまま、彼は手術台に上がった。
青玉鱗という病は、どこから来たのか
この病には出どころがある。ボニーの母、ジニーだ。
ジニーは革命軍の一員だったが、天竜人に妻として攫われ、マリージョアで暮らすことになる。そこでサターン聖の薬物実験を受け、青玉鱗を発症した。用済みになった彼女は捨てられ、ソルベ王国へ帰ってくる。
ジニーは赤子を連れていた。それがボニーだ。くまはこの子を自分の娘として育てることになる。そしてジニーは病に倒れ、残された娘に同じ病が現れた。
つまり青玉鱗は、天竜人がこの家族に負わせた傷そのものだ。その病を治すために、くまは同じ相手と取引しなければならなかった。 構図としてこれ以上ないほど残酷になっている。
バッカニア族という出自
もうひとつ、なぜ「くまの体」でなければならなかったのかという問題がある。
くまはバッカニア族の血を引いている。この種族は世界政府から特別に危険視され、根絶やしにされてきた歴史を持つ。並外れた頑丈さを備えており、だからこそ政府にとっては研究材料として価値があった。
くま自身、幼い頃に天竜人の奴隷にされている。解放されたあとはドラゴンの軍に加わり、革命軍の幹部となり、のちにソルベ王国の王にもなった。奴隷から王まで上がった男が、最後にもう一度、自分から奴隷の側に戻ったことになる。
天竜人が何を根拠に人を選別しているかはサターン聖の悪魔の実と能力でも触れている。
ソルベ王国で起きていたこと
くまと革命軍のつながりは、ソルベ王国での一件から始まっている。
この国では、北部と南部を分けて南部の人々を奴隷とする政策が進められようとしていた。これを正面から糾弾したのがくまとジニーで、2人はそのまま投獄される。声を上げた側が捕まるという、この世界でくり返される構図だ。
ここに割って入ったのがモンキー・D・ドラゴンの軍だった。介入によって政策は止まり、くまは解放される。のちに革命軍の幹部として名を連ねるのは、この出来事があったからだ。
つまりくまは、最初から制度に潰される側の人間として描かれている。奴隷にされ、声を上げて投獄され、最後は娘のために自分を差し出した。立場が変わっても、押し付けられる側であり続けた人物だ。
パシフィスタは「くまの複製」
くまの体を使って何が作られたのかも押さえておきたい。
政府が量産したパシフィスタは、くまを原型にした人間兵器だ。顔かたちがくまと同じなのはそのためで、戦場に同じ顔がいくつも並ぶ光景が生まれた。開発を担当したのはベガパンクである。
この事実は残酷な意味を持つ。差し出した体が娘を救っただけでなく、そのまま世界中で人を殺す兵器の型として使われたということだからだ。くまの選択は、彼が最も嫌ったはずのものを世界に増やした。
それでも彼は取引を降りていない。降りれば娘が死ぬからだ。選択肢がないとは、そういうことを指す。
ニキュニキュの実は「弾く」だけの能力ではない
くまの能力はニキュニキュの実。手のひらの肉球で、あらゆるものを弾き飛ばす。
重要なのは、弾けるものが物体だけではない点だ。痛みや疲労も、実体として取り出して弾くことができる。 スリラーバークでルフィが負った痛みを丸ごと抜き出し、ゾロに渡した場面がこの能力の本質を示している。
他人の痛みを引き受けさせることも、遠くへ飛ばして助けることもできる。人を傷つける能力ではなく、痛みを移動させる能力だと考えると、この人物の行動と噛み合う。彼はずっと、誰かの痛みを別の場所へ移す役をやってきた。
人格を失う直前に、何を願ったか
改造が進むにつれ、くまからは記憶と意思が消えていった。
その最後の段階で、彼はひとつだけ願いを通している。麦わらの一味の船を、2年間守り続けること。 人格が消えたあとも体が動き続けるよう、命令として残したものだ。
シャボンディ諸島で一味を吹き飛ばしたのも同じ流れにある。あれは襲撃ではなく、全員を生き延びさせるための行動だった。すでに自分が消えると分かっている男が、消える前にできることを全部やっていた。
2年後、サニー号のそばに立っていた「奴隷人形」がどういう存在だったのかは、この経緯を知ってから読み返すと意味が変わる。
そして娘のもとへ
人格を失ったはずのくまは、その後、娘の危機に反応して動いた。命令でも任務でもない移動だった。
ボニーの側から見れば、父が自分のために何を差し出したのかを知らないまま育ったことになる。彼女の病歴がどう扱われてきたかはジュエリー・ボニーの病は仕組まれたもの?で整理した。
「改造された」ではなく「差し出した」
この話の核心は、被害の大きさではない。選択だったことにある。
奴隷にされ、解放され、革命軍で戦い、王にまでなった男が、最後は自分の意思でもう一度すべてを手放した。理由は娘ひとりだ。世界を変える側にいた人物が、世界より娘を取った。
「くまはなぜ改造されたのか」という問いの答えは、制度でも陰謀でもない。そうする以外に娘を助ける方法がなかったからだ。この作品が天竜人という存在を通して描いているのは、まさにその「選択肢のなさ」のほうだと思う。
よくある質問
くまはなぜパシフィスタに改造された?
娘ジュエリー・ボニーの病「青玉鱗」を治療するためだ。サターン聖から治療と引き換えに体を差し出すよう持ちかけられ、くまは記憶と人格を失うと理解したうえでこれを受けた。
青玉鱗とはどんな病気?
ボニーの母ジニーが、天竜人のもとで受けた薬物実験によって発症した病だ。ジニーはこの病で命を落とし、残された娘のボニーにも同じ病が現れた。
バッカニア族とは?
くまが血を引く種族で、世界政府から特別に危険視されてきた。並外れた頑丈さを持つとされ、それが政府にとって人間兵器の研究材料としての価値になっていた。
くまはなぜサニー号を守っていた?
人格を失う直前に、自らの願いとして「2年間サニー号を守る」ことを命令として残していたためだ。シャボンディ諸島で一味を吹き飛ばしたのも、全員を生き延びさせるための行動だった。


