闇の魔術に対する防衛術はなぜ1年で終わるのか

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この記事の結論

  • 7年間で7人全員が1年以内に去り、円満退職は1人もいない
  • 7人のうち5人は最初から教師として不適格か、別の目的で来ていた
  • 呪いが空席を生み、空席が不適格者を呼ぶ循環だった可能性がある

ホグワーツで、たった一つだけ教師が居つかない教科がある。闇の魔術に対する防衛術だ。

ハリーの在学7年間で、担当した7人全員が1年以内に去った。理由は「ヴォルデモートがこの職を拒まれた腹いせに呪いをかけたから」——これが定説になっている。

だが7人の退任理由を1つずつ並べてみると、少し違う景色が見えてくる。呪いというより、この職が引き寄せる人間の性質の問題ではないか、という話だ。

7人はこうして去った

まず事実を確認する。

学年 教師 去った理由
1年 クィリナス・クィレル ヴォルデモートに憑依されており、賢者の石を巡って死亡
2年 ギルデロイ・ロックハート 自分の忘却術が跳ね返り記憶喪失。聖マンゴ病院へ
3年 リーマス・ルーピン 人狼だと露見し、自ら辞職
4年 「マッド-アイ・ムーディ」 正体は変身したバーティ・クラウチ・ジュニア。露見して失脚
5年 ドローレス・アンブリッジ 禁じられた森でケンタウルスに連れ去られ、魔法省へ召還
6年 セブルス・スネイプ ダンブルドアを殺害して逃亡
7年 アミカス・カロー ホグワーツの戦いで敗北・拘束

見事に全員が1年以内に消えている。しかも誰一人として「任期満了で円満に退職」していない。

あの場面を『ハリー・ポッター』でもう一度

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呪いの出どころ

定説の根拠は、第6巻でダンブルドアがハリーに語った内容だ。

トム・リドルは卒業後、そして後年もう一度、この職を求めてホグワーツを訪れた。ダンブルドアは二度とも断った。それ以来、この職に1年を超えて留まった者がいない——ダンブルドア自身がそう認めている。

ただし注意したいのは、彼が「呪われていると思われている」という言い方をしている点だ。呪いの存在を断定してはいない。作中で呪いが確認された描写もない。

7人を並べると別の共通点が見える

7人の内訳教師ではなかった5人・クィレルは憑依されていた・ロックハートは詐欺師・偽ムーディは死喰い人の工作員・アンブリッジとカローは刺客教えられた2人・ルーピンは実技を教え好評・唯一自分の意思で辞職した・スネイプは指導力があった・ただし1年で学校を去った教師として機能したのは1人だけ

ここからが本題だ。7人の顔ぶれを見ると、そもそもまともな教師が1人しかいないことに気づく。

  • クィレル——闇の魔法使いに憑依された時点で教師として破綻している
  • ロックハート——他人の手柄を盗んで本にしていた詐欺師。実技を教える能力がない
  • 偽ムーディ——死喰い人が変装していた工作員
  • アンブリッジ——実技を一切教えず、魔法省の統制のために送り込まれた官僚
  • カロー——名目上は防衛術だが、実際は闇の魔術そのものを教え、罰則として生徒に磔の呪文を使わせた

5人が最初から教師として不適格、あるいは別の目的で来ている。

まともに教えたのはルーピンだけだ。彼の授業は実技中心で生徒の評価も高く、ハリーに守護霊の呪文を教えたのも彼だった。皮肉なことに、7人で唯一「教師として成功した人物」が、自分から辞めている。

スネイプは指導力こそあったが、この教科を長年欲しがり続けた末に1年だけ就いて、その年に学校を去った。

呪いは「人が来ない」ことの結果かもしれない

空席が生む循環1年で辞める評判が立つ危険な教科だと知れ渡る▼まともな候補が応募しない学校が人を選べなくなる▼不適格者や刺客が入り込む魔法省や敵陣営が送り込む▼その年のうちに去っていく

ここで因果を逆に考えてみたい。

呪われているから人が辞めるのではなく、辞めるような人しか来なかったのではないか。

危険な教科であり、しかも「1年で辞める」という評判が立っている。まともな魔法使いは応募しない。結果としてダンブルドアは、憑依された男や、詐欺師や、正体不明の人物を採用せざるを得なかった。

実際、5年目と7年目は魔法省とヴォルデモート陣営が人を送り込んでいる。学校側が選べる状況ですらなかった。空席になりやすいポストは、外部勢力にとって最も入り込みやすい穴になる。

呪いの噂が空席を生み、空席が不適格者を呼び、不適格者がまた1年で去る。この循環が「呪い」の正体だとしても、辻褄は合ってしまう。

それでも呪いだったと考えたくなる理由

もちろん、呪い説を支持する材料もある。

退任理由があまりにもバラバラなのだ。憑依、記憶喪失、正体露見、ケンタウルス、殺人、敗北——共通の原因がまったく見当たらない。単なる人選の失敗なら、もう少し似た理由で辞めそうなものである。

そして決定的なのは、ヴォルデモートの死後にこの職が安定したとされる点だ。作者の後年の発言に拠るもので本編の記述ではないが、これが正しければ呪いは実在したことになる。

この教科が物語で果たした役割

見方を変えると、この「毎年変わる教師」という設定は物語の装置として実によくできている。

毎年新しい先生が来るということは、毎年その先生が敵か味方かを見極める話が作れるということだ。実際、7人のうち3人がヴォルデモート側の人間で、1人は魔法省の刺客だった。

ハリーが1年ごとに「今年の先生は何者か」を探る構図が、シリーズの背骨になっている。この教科が安定していたら、物語の緊張感は半減していたはずだ。

まとめ

呪いがあったのか、なかったのか。作中は断定していない。

ただ確実に言えるのは、この職に就いた7人のうち、教師としてまっとうだったのは1人だけだったということだ。呪いを疑う前に、そもそもホグワーツはこのポストに人を集められていなかった。

ダンブルドアが「呪われていると思われている」と含みのある言い方をしたのは、案外そのあたりを分かっていたからかもしれない。

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よくある質問

闇の魔術に対する防衛術の教師はなぜ毎年変わるのですか?

ヴォルデモートがこの職を断られた腹いせに呪いをかけたから、という説が有力です。ただし作中で呪いが確認された描写はなく、ダンブルドアも「呪われていると思われている」という言い方にとどめています。

歴代の教師は誰ですか?

クィレル、ロックハート、ルーピン、マッド-アイ・ムーディに変装したバーティ・クラウチ・ジュニア、アンブリッジ、スネイプ、アミカス・カローの7人です。全員が1年以内に去りました。

まともに教えた教師はいたのですか?

リーマス・ルーピンだけです。実技中心の授業で生徒の評価も高く、ハリーに守護霊の呪文を教えました。皮肉にも7人で唯一、自分の意思で辞職しています。

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