コナン映画 黒の組織登場作一覧|出るのは4作だけ
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この記事の結論
- 劇場版で組織メンバーが本人として登場するのは、29作のうち4作だけである
- 安室透が出る作品と組織が出る作品は別の集合。重なるのは純黒の悪夢と黒鉄の魚影の2作
- アイリッシュ・キュラソー・ピンガは劇場版オリジナルで、原作漫画には登場していない
劇場版は29作あるが、黒の組織のメンバーが本人として画面に出るのは4作しかない。 22年かけて4回である。
そして、まとめ記事の多くが取り違えていることをひとつ。安室透が出る作品は、組織が出る作品ではない。 実際『ゼロの執行人』を「黒の組織が登場する劇場版」に数えている解説は複数あるが、公式の登場人物一覧に組織メンバーは一人も含まれていない。安室=バーボンだから組織回、という短絡が原因だ。この記事では、組織が出る作品と出ない作品を線引きしたうえで、劇場版オリジナルの組織員がどう扱われているかまで整理する。原作側のコードネームと生死はコナン 黒の組織メンバー一覧にまとめてある。
組織が本当に登場する劇場版は4作しかない
本人が画面に出る作品だけを並べると、次の4本になる。
| 作品 | 公開年 | 登場した組織メンバー | この作品でしか見られないもの |
|---|---|---|---|
| 天国へのカウントダウン | 2001 | ジン、ウォッカ | 組織が劇場版に初めて出た回 |
| 漆黒の追跡者 | 2009 | ジン、ウォッカ、ベルモット、キャンティ、コルン、アイリッシュ | 劇場版オリジナルの組織員に初めてコードネームが与えられた |
| 純黒の悪夢 | 2016 | ジン、ウォッカ、ベルモット、キャンティ、コルン、キュラソー、キール、バーボン | 赤井とバーボンが劇場版で初めて対峙する |
| 黒鉄の魚影 | 2023 | ジン、ウォッカ、ベルモット、キャンティ、コルン、ピンガ、キール、バーボン | ピンガが登場する唯一の回 |
4列目を見ると、この4作が単なる再登場の繰り返しではなく、毎回ひとつずつ「劇場版でしかやっていないこと」を積んでいるのが分かる。2009年に劇場版オリジナルの組織員という枠を作り、2016年に赤井とバーボンをぶつけ、2023年にその続きとして新しい構成員を出す。組織を出すたびに、原作では起きていない出来事をひとつ足しているわけだ。
ただし「登場」の線引きには注意が要る。次の4つは、組織が出たと数えるべきではない。
- 『純黒の悪夢』のラム — 姿も影も描かれず、変声機を通した声のみ
- 『黒鉄の魚影』の「あの方」 — 返信メールとシルエットのみ
- 『漆黒の追跡者』のピスコ — 回想での登場。アイリッシュの動機を説明するための描写
- 『天国へのカウントダウン』の宮野明美 — 故人であり、録音された声とイメージのみ
組織のボスの正体そのものについては烏丸蓮耶って誰?で扱っている。
安室透が出る作品と組織が出る作品は別物
ここが本題だ。組織との因縁を背負ったキャラが出ることと、組織そのものが出ることは、まったく別の話である。
| 作品 | 出る主要人物 | 実際に相手をするもの | 組織メンバーの登場 |
|---|---|---|---|
| 異次元の狙撃手 | 沖矢昴(正体が明かされる) | 連続狙撃事件 | イメージ・回想のみで本人は出ない |
| ゼロの執行人 | 安室透(公安警察として) | 公安と警察の対立 | 出ない |
| 緋色の弾丸 | 赤井family勢揃い | 高速鉄道をめぐる事件 | 公式の一覧に記載なし |
| ハロウィンの花嫁 | 安室透・警察学校組 | ロシア拠点の別組織 | 出ない |
| 隻眼の残像 | 安室透 | 長野県警が関わる事件 | 出ない |
赤井family回も同じで、組織との因縁が背景にあるだけで、組織員が画面に出るわけではない。 『異次元の狙撃手』は狙撃事件が題材なので、コナンが組織のスナイパーを思い浮かべる場面がある。だがそれは想起であって登場ではない。この一本を数に入れるかどうかで、「組織が出る映画は4作」にも「5作」にもなってしまう。本数を言う前に定義を示す必要があるのはこのためだ。
なお、劇場版が原作に先んじた例も『異次元の狙撃手』にある。沖矢昴の正体が、原作やテレビアニメより先にこの作品で明かされた。 同じことは『純黒の悪夢』でも起きていて、降谷零が警察庁警備局の所属であることが原作に先行して明言された。劇場版は原作の後追いではない。
注意点をひとつ。安室透役の声優は途中で交代しており、過去作の声の差し替えは行わないとアニメ制作側が表明している。 昔の作品を見返すときのキャスト表記は公開当時のものだと考えたほうがいい。
劇場版オリジナルの組織員3人は原作に出ない
組織回の目玉として作られた3人は、いずれも劇場版だけの存在である。
| キャラ | 初出 | 原作漫画への登場 | 劇場版での位置づけ |
|---|---|---|---|
| アイリッシュ | 漆黒の追跡者 | 登場しない | 劇場版オリジナルで初めてコードネームを持った組織員 |
| キュラソー | 純黒の悪夢 | 登場しない | 記憶を失った状態から物語の中心になる |
| ピンガ | 黒鉄の魚影 | 登場しない | 声優を事前非公表にして本編のスタッフロールで判明させた |
この3人については、混同されがちな点を潰しておきたい。アイリッシュにはピスコを父のように慕っていたという設定があるが、ピスコが原作キャラであることと、アイリッシュが原作に出ることは別問題だ。 原作キャラとの関係性を劇場版側で後付けした形にすぎない。
ピンガについても同様で、「原作に逆輸入されるのでは」「実は伏線がある」という考察が多く流通しているが、いずれもファンの推測であって根拠のある情報ではない。 また「ピンガはキュラソーの死後にラムの側近になった」という設定は劇場版の劇中設定であり、原作側に対応する情報がないため、原作と整合しているとも矛盾しているとも言えない。
キュラソーが原作漫画で言及されたという説も追ってみたが、行き着く先は『黒鉄の魚影』の劇中でウォッカが触れる場面だった。劇場版どうしのつながりであって、原作とのつながりではない。
劇場版は原作のパラレルなのか
「劇場版はパラレルワールドという扱いだから、主要キャラは必ず無傷で生還する」という説明を目にする。だが調べた限り、小学館・読売テレビ・制作会社・原作者のいずれからも、劇場版をパラレルワールドと明言した資料は見つからなかった。 この言い回しの出所は、誰でも編集できるファン系の事典であり、公式の用語ではない。
実態はもう少し込み入っている。
- ストーリーは劇場版独自 — 原作の筋をなぞるわけではない
- 一部は原作やテレビアニメの後日談になっている — 明確なつながりを示す描写がある作品も存在する
- 設定は原作者の監修下にある — 青山剛昌氏はインタビューで、原案段階からアイデアを出し脚本と画コンテを全てチェックしていること、設定と違うことをやられると困るのでスタッフと常に相談していること、組織が出る作品では監督とプロデューサーにボスの正体を共有していることを語っている
- 劇場版が先に情報を出すことがある — 沖矢昴の正体、降谷零の所属がその例
- 劇場版初登場のキャラが原作へ移ることがある — 白鳥任三郎などの前例がある
つまり「劇場版=完全な別世界」でも「劇場版=原作の一部」でもない。ストーリーは独自、設定は原作者監修、しかも一部の情報は劇場版が原作より先に出すという運用だ。「パラレルだから原作と無関係」という説明は、少なくとも正確ではない。
よくある誤解をまとめて正す
調べる過程で、上位に表示されるサイトに複数の明確な誤りを見つけた。まとめて置いておく。
- 「ゼロの執行人は組織が出る4作目」 — 公式の登場人物一覧に組織メンバーはいない。安室=バーボンからの誤推論
- 「ゼロの執行人にベルモットが出る」 — ベルモットの登場作をまとめた資料に、この作品は含まれていない
- 「安室透は純黒の悪夢が初登場で、劇場版から原作へ逆輸入されたキャラ」 — 誤り。純黒の悪夢は「劇場版での初登場」であって、キャラ自体の初出は原作漫画
- 「隻眼の残像に組織が出る」 — 組織一般の解説と作品情報が混ざった結果。この作品の登場人物一覧に組織メンバーはいない
- 「キュラソーは原作に逆輸入された」 — 裏付けが取れない。「されるのではとファンが考察している」が実態
- 『緋色の弾丸』と『緋色の不在証明』の混同 — 後者は総集編で、既存エピソードの再編集として組織員が出る。ナンバリング作品として数えるものではない
最後の項目は特に厄介で、検索するとこの2つの情報が混ざって返ってくる。総集編や特別編集版をナンバリング作品と一緒に数えると、本数が合わなくなる。
こうして整理すると、劇場版における黒の組織は「毎年出る看板の敵」ではまったくないと分かる。22年で4回、平均すれば5〜6年に一度しか出てこない切り札だ。 だからこそ出るたびに劇場版オリジナルの構成員が用意され、原作では起きない対決が組まれる。組織の目的そのものがどこまで判明しているかは黒の組織の目的は本当に判明した?で検証しており、映画そのものの規模の推移はコナン映画 興行収入ランキング全29作にまとめてある。本編側で組織の話を追うなら名探偵コナン 重要回一覧が早い。
よくある質問
黒の組織が出るコナン映画はどれ?
組織メンバーが本人として登場するのは『天国へのカウントダウン』『漆黒の追跡者』『純黒の悪夢』『黒鉄の魚影』の4作です。回想やイメージだけの登場を含めるかどうかで本数は変わるため、数え方を先に決める必要があります。
ゼロの執行人は黒の組織の話?
違います。安室透はバーボンでもありますが、この作品では公安警察の捜査官として動いており、公式の登場人物一覧に組織メンバーは含まれていません。物語の軸は公安と警察の対立です。
キュラソーやピンガは原作に出てくる?
出てきません。アイリッシュ・キュラソー・ピンガはいずれも劇場版オリジナルのキャラクターで、原作漫画には登場していません。原作キャラとの関係性は劇場版側で設定されたものです。
劇場版は原作とパラレルワールドなの?
公式にパラレルと明言された資料は確認できません。ストーリーは劇場版独自ですが、原作者が設定を監修しており、劇場版が原作より先に設定を明かすこともあります。完全な別世界とも原作の一部とも言い切れない関係です。


