少年漫画誌の部数推移|ジャンプも100万部割れ、最盛期の16%

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この記事の結論

  • ジャンプは2026年4-6月に98.5万部
  • 最盛期比はジャンプ16%、マガジンとサンデーは7%
  • マガジン+サンデーの合計はジャンプの41%
  • 集英社の売上は2018年の底から約2倍

週刊少年ジャンプの部数が、2026年4-6月に98.5万部まで下がった。日本雑誌協会が四半期ごとの印刷部数を公表し始めた2008年以降で、100万部を割ったのは初めてだ。

最盛期だった1993・94年の推定620万部と比べると、残ったのは16%。マガジン(28.1万部)とサンデー(12.0万部)は最盛期の7%前後で、2誌を足してもジャンプの4割にとどまる。

1986年から2026年4-6月までの3誌の部数(30秒)。出典は記事末尾

3誌の部数はいま

2008年から残った部数ジャンプ・2008年 278.6万部・2026年 98.5万部・残ったのは35%マガジン・2008年 175.5万部・2026年 28.1万部・残ったのは16%2008年4-6月と2026年4-6月の比較

2026年4-6月に発売された号の、1号あたりの平均印刷部数は次のとおり。最盛期は年ごとの推定値で一番高い年を取った。

誌 2026年4-6月 最盛期(推定) 残った割合
ジャンプ 98.5万部 620万部(1993・94年) 16%
マガジン 28.1万部 425万部(1998年) 7%
サンデー 12.0万部 170万部(1998年) 7%

ジャンプの減り方は3誌で一番ゆるい。2008年4-6月と比べると、ジャンプは35%が残り、マガジンは16%、サンデーは14%しか残っていない。

直近1年(2025年4-6月から)の減り方は、ジャンプ6.0%、マガジン3.1%、サンデー4.0%だった。

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40年の推移

5年ごとに区切って並べた。2003年までは出版指標年報の推定、2004年からは日本雑誌協会の数字で、種類が違う(数え方は末尾)。

時期 ジャンプ マガジン サンデー
1986年 410万 160万 160万
1990年 530万 250万 135万
1995年 555万 410万 140万
2000年 363万 380万 168万
2005年 295.4万 236.5万 106.8万
2010年4-6月 287.8万 156.5万 67.0万
2015年4-6月 239.5万 112.7万 38.8万
2020年4-6月 153.9万 59.4万 22.4万
2026年4-6月 98.5万 28.1万 12.0万

マガジンとサンデーの差

1986年にはマガジンとサンデーが同じ160万部で並んでいた。差は翌1987年から開き始め、1990年代にマガジンが400万部台まで伸びて大きく広がった。サンデーは127〜170万部の間にとどまった。

このころマガジンでは、『はじめの一歩』(1989年〜)や『金田一少年の事件簿』(1992年〜)が始まっている。サンデーでは1994年1月に『名探偵コナン』の連載が始まった。

ジャンプの頂点から

ジャンプは1993・94年の620万部が推定の頂点で、1998年には360万部まで下がった。4年で4割以上を失ったことになる。

頂点の前後には、ジャンプの看板作品の連載終了が続いた。1994年に『幽☆遊☆白書』、1995年に『DRAGON BALL』、1996年に『SLAM DUNK』が終わっている。

一方で、1997年7月に『ONE PIECE』、1999年9月に『NARUTO』の連載が始まった。

2008年以降の協会の数字では、ジャンプは2017年1-3月に191.5万部となり、200万部を割った。

出版科学研究所は2018年2月、2017年に紙のコミックス(単行本)が大きく減った要因を挙げた。ビッグタイトルの完結、部数規模の縮小、紙から電子への移行などだ。雑誌ではなく単行本についての説明である。

マガジンが首位の5年

推定値では、1997年にマガジン(415万部)がジャンプ(405万部)を上回った。マガジンの首位は2001年まで5年続き、2002年にジャンプ(320万部)がマガジン(300万部)を抜き返した。

この逆転は年ごとの推定値で見たもので、号ごとの実数ではない。抜いた・抜き返したの時期は、資料によって1年前後ずれることがある。

逆転の理由について、講談社のメディア「現代ビジネス」(2022年)は2つの面を挙げている。ジャンプで看板作品の終了が重なって差が詰まったことと、マガジン側の連載陣がそろっていたことだ。

当時の編集者・樹林伸氏は「コマがそろっていたんですよ」と振り返る。記事は、『金田一』に続く大ヒット作『GTO』が始まった1997年に、マガジンが首位に立ったと書いている。

いずれもマガジン側から見た説明である点には注意したい。

100万部を割った順番

100万部を割った順番サンデー 2007年年間平均93.6万部▼マガジン 2016年7-9月99.5万部▼ジャンプ 2026年4-6月

最盛期のあとに3誌が100万部を割った時期は、サンデー、マガジン、ジャンプの順だった。間隔はそれぞれ約9年と約10年あいている。

  • サンデー: 2007年(年間平均93.6万部)。
  • マガジン: 2016年7-9月(99.5万部)。
  • ジャンプ: 2026年4-6月(98.5万部)。

サンデーの2007年は、2006年9月〜2007年8月の年間平均。

マガジンとジャンプは四半期の値。どちらも前の四半期は、100万部をわずかに上回っていた(マガジン101.6万部、ジャンプ100.4万部)。

漫画アプリの登場

紙の部数が減るのと並行して、各社は漫画アプリを始めた。集英社の「少年ジャンプ+」は2014年9月、講談社の「マガジンポケット」は2015年7月に始まっている。

共同通信は2026年8月、ジャンプの100万部割れを報じた。ジャンプを漫画誌アプリ「少年ジャンプ+」で読む人が増えたことが一因とみられる、としている。

2016年から2018年4月の閉鎖までは、海賊版サイト「漫画村」も問題になった。ただし、雑誌の部数減と漫画村を結び付けた公的な資料は見つからなかった。

2誌を足してもジャンプの4割

2008年は94%あった

2008年4-6月、マガジンとサンデーを足すと262.2万部で、ジャンプ(278.6万部)の94%あった。2誌を合わせれば、ジャンプとほぼ同じ規模だった。

2026年は41%

2026年4-6月には、2誌の合計が40.1万部まで減り、ジャンプ(98.5万部)の41%になった。

2008年からの18年で見ると、ほかの2誌の減り方がジャンプより速かった。ただし直近1年に限れば、減少率はジャンプが3誌で一番大きい。

3誌の中でのジャンプの比重は、2008年からの18年で大きくなった。100万部を割っても、2位のマガジンの3.5倍ある。

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出版社の売上は持ち直した

部数が減り続ける一方、3社の売上は一度大きく落ちたあと、2015〜2021年に底を打って持ち直した。集英社は底から約2倍になった。

会社 2008年前後 底 最新期
集英社 1,376億円 1,165億円(2018年5月期) 2,290億円(2026年5月期)
講談社 1,351億円 1,168億円(2015年11月期) 1,692億円(2025年11月期)
小学館 1,413億円 943億円(2021年2月期) 1,036億円(2026年2月期)

ジャンプと集英社は逆向き

2008年からの18年で、ジャンプの部数は約3分の1になった。同じころ、集英社の売上は2008年5月期の1,376億円から、2026年5月期の2,290億円へ約1.7倍に増えた。

2026年5月期の集英社は、版権・物販などの「事業収入」が1,100億円を超え、初めて「出版売上」を上回った。日本経済新聞は、アニメや映画、ゲームなどの版権収入が増えたことを挙げている。

集英社の売上が初めて2,000億円を超えたのは2021年5月期だ。文化通信は『鬼滅の刃』『呪術廻戦』のヒットが、電子書籍や物販の売上も押し上げたと報じた。

『鬼滅の刃』のジャンプ連載は2016年2月〜2020年5月。その間にジャンプの部数は約224万部から約154万部へ減った。

講談社は紙が4分の1

講談社の2025年11月期は、デジタルが約864億円で売上の51%、ライツ(版権)が285.4億円で17%を占めた。紙の製品は430.2億円で、25%にとどまる。

文化通信は、講談社の2019年11月期決算はデジタルと海外版権事業が牽引したと報じた。

作品では『進撃の巨人』のロングヒットに加え、期中にアニメが放送された『転生したらスライムだった件』『五等分の花嫁』も貢献したという。

小学館は戻りきっていない

小学館の底は2021年2月期の943億円で、2026年2月期は1,036億円だった。2008年2月期(1,413億円)の7割ほどにとどまり、最新期は前の期より5.5%減った。

決算の報道には、増減の理由の説明は見当たらなかった。

この記事の数え方

  • 2008年4-6月以降: 日本雑誌協会「印刷証明付き部数」。その四半期に発売された号の1号あたり平均印刷部数。2026年4-6月が最新(2026年10月29日時点)。
  • 2004〜2007年: 日本雑誌協会のマガジンデータの年間平均印刷部数。期間は前年9月〜その年の8月。
  • 1986〜2003年: 出版指標年報の推定部数。年報そのものではなく、それをまとめたファンサイトの表(Web Archiveに保存されたもの)から取った。
  • 印刷部数は、刷った部数で、売れた部数ではない。電子版や漫画アプリの読者は含まれない。
  • よく知られた「ジャンプ653万部」は、1995年3・4合併号1冊だけの集英社の公称で、年ごとの推定とは種類が違うので表に入れていない。
  • サンデーの最高として「228万部(1983年)」も広く引用されるが、一次資料を確認できなかったので使っていない。
  • 背景の作品と時勢: 連載の時期と、部数・売上の理由は、出版社・新聞・業界紙などの報道で確かめた。出典が理由を挙げているものだけを理由として書き、そうでないものは時期を並べるだけにした。
  • 出版社の売上: 3社とも非上場で、各社の決算として新文化・文化通信が報じた値を使った。決算期は集英社が5月、講談社が11月、小学館が2月。
  • 集英社の2008年5月期は売上の集計方法が変わった期で、前の期とは比べにくい。講談社のデジタルは発表時の861.9億円が、のちに863.9億円へ訂正された。

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よくある質問

週刊少年ジャンプの今の発行部数は?

日本雑誌協会の印刷証明付き部数で、2026年4-6月の1号あたり平均が98.5万部。2008年に四半期ごとの公表が始まってから、100万部を下回ったのはこれが初めて。

ジャンプの最高部数は?

1995年3・4合併号の653万部(集英社の公称)が最高として知られる。年ごとの推定では、1993年と1994年の620万部が一番高い。

マガジンがジャンプを抜いたのはいつ?

出版指標年報の推定では1997年。マガジンが2001年まで上回り、2002年にジャンプが抜き返した。年単位の推定なので、資料によって時期が前後する。

電子版の読者は部数に入っている?

入っていない。この記事の数字はすべて紙の印刷部数で、電子版の購入や漫画アプリの閲覧は含まれない。

サンデーの最高部数は?

年ごとの推定では1998年の170万部が一番高い。1983年に228万部という数字も引用されるが、一次資料は確認できなかった。

部数が減って、集英社の売上も減っている?

減っていない。集英社の売上は2018年5月期の1,165億円が底で、2026年5月期は2,290億円。版権・物販などの事業収入が、初めて出版売上を上回った。

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